「口は健康の源」「健康は食べることから」という言葉通り、歯や口の健康に気をつけることは、楽しい食生活を送り、健康な体を維持するためにとても大切なことです。
「1 口 30 回噛みましょう」とよく言われますが、どうして 1 口 30 回なのでしょうか。このことは、今から約 150 年前にイギリスで首相を務めたウィリアム・グラッドストン氏が言い始めたとされています。85 歳の時に記者が「健康の秘訣は? 」とたずねたところ、「神は人間に 32 本の歯を与えてくださったから、一本一本の歯に感謝して噛むと 32 回になるだろう。だから、いつも 32 回噛むようにしている」と答えたそうです。
実際に、よく噛むことは私たちの体や脳にいろいろな良い影響を与えることがわかっています。
【噛むことの良い効果】
- 消化が良くなる
- 虫歯の予防
- 肥満予防
- 脳の働きが良くなる
【噛むためのクッキングポイント】
- (1)噛み応えのある食材を使う
- ごぼう等の繊維質の多い野菜や乾物、種実類、豆類、こんにゃくや海草を積極的に取り入れましょう。
- (2)食材を大きく切る
- 野菜は乱切り、肉なら厚切りにするなど工夫してみましょう。
- (3)加熱時間を工夫する
- 野菜は生で食べる方が噛む回数がアップしますが、かさばります。炒めたり、湯通しするなど加熱すれば、たくさんの量を食べることができて噛む回数が維持できます。
- (4)水分を少なくする
- お茶漬けやあんかけなどは水分が多く、さらっと食べられてしまうため、噛む回数が減ります。揚げ物や炒め物など水分の少ない料理は唾液を出そうとするため、無意識に噛む回数が増えます。
- (5)食材を組み合わせる
- 複数の食材を使った料理を食べると、食感や味に変化が出て味わうため、噛む回数が自然にアップします。
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