フレイルとは、年齢に伴う虚弱、つまり筋力や心身の活力が低下した状態のことで、筋力低下、体重減少など、身体的なものだけでなく、精神的活力低下によってもフレイルに陥るとされています。特に滑舌の衰え、食べこぼし、わずかなむせ、噛めない食品が増える等、歯や口の機能が虚弱になることをオーラルフレイルといいます。
健康だった人もフレイルになることで、要支援・介護の経過をたどる傾向があり、健康寿命を延ばすには、フレイルに気づき、日常生活の中で予防を意識した行動をすることが重要です。
一般歯科医院でみられる咀嚼障害の原因は、歯の欠損によるものが大半であり、補綴し、咬合を改善すれば機能も回復します。しかし、高齢期における咀嚼障害の場合、咬合回復や歯があるだけでは、食べたり、飲み込んだりすることはできません。唾液分泌量の減少や舌、口腔周囲筋肉の機能低下が起きていれば、歯があっても噛めない、飲み込めないという状態になります。
逆に歯がなくても、唾液分泌量や舌、口腔周囲筋肉の機能がしっかりしていれば、食形態を対応させることで栄養供給が出来る特代になっています。滑舌の衰え、食べこぼし、わずかなむせ、噛めない食品が増える等、ささいな歯・口の機能の虚弱に気づき、口腔機能低下に対して機能維特訓練を取り入れることが重要となります。
フレイルは、しかるべき介入により再び健常な状態に戻るという可能性が包含されています。まずは健康寿命を延ばすために、生活機能の維持、向上を図りましょう。また、40 歳を過ぎたら、意識してフレイル予防をしましょう!
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