「噛むと歯が痛い」と訴えて歯科医院を訪れる患者さんがいます。症状の多くは、むし歯がかなり進んで、歯の根の歯根膜(しこんまく)に炎症を起こしていることが多いのですが、噛みあわせが原因のこともあります。
歯はアゴの骨に埋まっているような状態ですが、硬い骨から直接歯がはえているわけではありません。歯を支えているアゴの骨と歯の間には、ものを噛んだ時の過度な圧力や刺激を吸収するクッ
ションの役目をする歯根膜という薄い繊維状の組織が介在しています。歯根膜が炎症を起こすことが、噛むと痛みを感じる原因となっていると考えられます。 歯周病の進行によって、歯を支えているアゴの骨が吸収し、次第になくなり、歯が動揺して、歯肉に炎症症状が頻発します。この歯肉の炎症が歯根膜を刺激して痛みがでることもあります。 また、過度なかみ合わせの負担は、歯の根元に
負担がかかり、噛むたびに歯の根元が痛む症状を起こすこともあります。
◇治療方法は
歯の動揺が著しい場合は、やはり抜歯しなければなりません。歯周病の度合いにもよりますが、口腔ケアを心がけ、根本的な歯周病の治療を受けることにより回復する場合もあります。 過度なかみ合わせの負担が原因である場合は、簡単なかみ合わせの調整で回復することもあります。 気になる症状がある人は、一度かかりつけの歯科医院で相談してみてください。
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