身体の機能が衰える「フレイル( 虚弱)」の進行は、「オーラルフレイル( 歯と口の機能の虚弱)」と密接に関係しています。たとえば、歯周病やむし歯で歯が1本抜けると、隣り合っていた歯が傾いて、磨きにくいところができて、その部分が歯周病やむし歯になるという悪循環に陥り、次々と歯を失うようになります。噛む力が低下して噛めない食べものがふえると、栄養が偏り低栄養をおこすこともあるのです。その結果、筋肉や身体機能が徐々に弱まって噛むことや飲み込むことが困難となり、長期で床に伏せる、要介護の状態へ進行してしまいますね。
この本格的な「フレイル」の状態になる前に起こる、歯や口の比較的軽い機能低下を「オーラルフレイル」と呼び、この段階で機能低下を防ぐことが健康寿命を延ばすポイントになるのです。最も基本的なことは歯周病やむし歯などで歯を失わないこと。
「滑舌が低下した」「歯を失った」「食べこぼしがふえた」「熱い飲み物がむせる」といった症状があると、「オーラルフレイル」の前兆かもしれません。そのような場合は、歯科医に相談してみませんか。歯石除去などの専門ケアと自宅で行うセルフケアを合わせて「オーラルフレイル」を予防し、健康寿命を延ばしましょう。
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