感染しやすい 歯科治療、特に抜歯においては、口腔内常在菌などが血管中に入り、菌血症が生じることが往々にしてあります。健康な人では無症状に過ぎてしまいますが、糖尿病の人の場合は、時に重症化する場合もあります。 ただ、すべての患者さんが危険なわけではありません。危険になるのは、血糖コントロールがうまくいっていない場合です。日本糖尿病学会では、「合併症予防の観点からヘモグロビンA1 c の目標値を7%未満とする」と発表していますので、この値を一つの目安としてください。また、血糖コントロールが良好な場合でも、抜歯などの出血を伴う処置の際は、術前・術後に抗菌薬を投与すること、術後には消毒を行って感染予防に努めることが必要です。