歯みがきが日本に伝わったのは、仏教伝来の時と言われています。木で作った歯ブラシの原型「歯木」というものを使い、礼拝や説教の前に必ず手を洗い、歯木を噛んで歯を清掃し、口をすすぐ習わしがあったという記録があります。 歯木を噛む目的は、5つあります。
- 口臭を防ぐ
- 食事の味をよくする
- 食道をきれいにする
- 眼をはっきりさせる
- 口の中の熱を除く
科学が未発達だった時代は、こうした風習が習慣化され、言い伝えられたものですが、現代ではこのような伝承の効果も科学的に説明できるようになってきました。 口の中には、口腔常在菌という細菌が常に約300種類以上も存在します。これがむし歯や歯周病の原因ですが、口臭もこの2つの病気を予防することで軽減されることが解明されています。むし歯や歯周病は、口の中の細菌が繁殖、蓄積して出来た細菌の固まりである歯垢、プラークが歯の周りに停滞することから始まります。これを歯ブラシで清掃し、排除するのがブラッシングの習慣です。 歯には磨き残しやすいところが、3ヵ所ありま
す。(1)歯と歯の間、(2)歯と歯肉の境目、(3)奥歯の噛みあわせの部分です。特に、歯と歯の間は歯ブラシが届かないので、補助道具の糸ようじの使用が効果的です。 就寝中は唾液量が減りますので、寝る前のブラッシングを丁寧に行うことが重要です。適切なブラッシングの習慣は、むし歯や歯周病を予防する第一歩です。かかりつけの歯科医院で相談し、正しいブラッシングの習慣を身につけましょう。
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