作ったばかりの新しい入れ歯は、1ヵ所か2ヵ所、歯ぐきに当たって痛むことがあります。やわらかい歯ぐきの上に硬い入れ歯がのり、さらにそこに「物をかむ」という力が加わるわけですから、他より少しでも接触の仕方が強かったり、歯ぐきの硬いところがあれば、痛みが出ても不思議ではありません。そんな時は我慢せず、痛い部分を確認したうえで、すぐに歯科医院へ行きましょう。 日頃の入れ歯の取扱いで大切なことは、入れ歯を入れたままにしないことです。入れ歯は歯ぐきを圧迫しますから、時々この圧迫から、歯ぐきを解放してあげると、痛みなどのトラブルも起こりにくくなります。食後にはずして洗うのは、歯をみがくのと同じように当然ですが、睡眠中もできればはずした方がよいでしょう。ただ、はずすとあごが疲れるという人は、入れたままでもやむをえないでしょう。 入れ歯を長く使ってい
ると、合わなくなってくることがあります。あごの骨や歯ぐきは常に少しずつ変化していますから、今まで調子の良かった入れ歯が、当たるようになったり、ゆるくなって落ちやすくなることがあります。病気や過労の時も、歯ぐきの変形や萎縮が起こり、同じようになることがあります。ゆるくなってしまった場合、市販の入れ歯用接着材が重宝することがあります。ただ、この材料は、弾力性により歯ぐきにぴったりと合いますが、吸水性もあるため長時間使用すると変質したり、細菌の温床となってしまうことがあります。あくまでも応急処置と考え、早めに歯科医院を受診して、入れ歯の調整をしてもらい
ましょう。
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