高齢になっても自分の歯が20本以上あれば、健全な咀嚼能力を保つことができ、ほとんどの食品を問題なく食べることが可能だという研究がありました。ここから80歳で20本以上の自分の歯を残そうという8020(ハチマルニイマル)運動が、厚生省、日本歯科医師会などの提唱で始まり(1989年)、今日定着してます。 「8020」運動が始まったころの80歳の人の歯の本数は平均約5本でしたから、80歳で20本以上の歯がある人の割合は少なく、10%に達しませんでした。同時に50歳を過ぎるころから、平均して2年に1本以上の歯を失う状況がありました。多いですね。 さて今日、平成28 年度に厚労省が実施した、最近の歯科疾患実態調査では、80歳の人の平均の歯の本数は15本を超えています。また「8020」の達成者の割合も50%をゆうゆう超えたのです。 そこで、より若い年代で「8020」を達成するための明快な目標として、20年若い60歳で24本の歯を残す6024(ロクマルニイヨン)という新たな目標が設定されました。ちなみに「6024」の達成者の割合は平成28年調査で74%でした。これを100%近くにもっていきたいのです。 歯を失う主な原因は、むし歯と歯周病です。その対策として、定期的な歯石除去、歯の清掃などの予防処置や早期治療がとても有効です。特に高齢になると自分自身による歯磨きにより、むし歯や歯周病の原因を確実に取り除くことが、意欲や技能の低下で困難になります。そのための定期的な診察と予防処置の継続はますます重要となります。 また、砂糖がたくさん入った甘い軟性食品と甘い飲料のコントロールなど、食生活の見直しはもちろん大切ですね(禁煙もね)。 歯を健康に保つことは、そのまま全身的健康を維持して、豊かな人生を送る実質的な担保になります。歯が良い人の方が、知的生活の質、肉体的活動能力が高いことが色々な調査から明らかです。 人生を最期まで豊かにするために、すべての人が「6024」の達成を目標にしませんか。