歯ぎしりには2つのタイプがあります。1つは歯をギシギシすり合わせるタイプの歯ぎしり。もう1つは、歯と歯をぐっとかみ締めるタイプの「くいしばり」「かみしめ」です。歯ぎしりは、かみ合わせやストレスが原因と言
われていますが、はっきりしたことはわかっていません。程度の差はありますが、ほとんどの人が歯ぎしりをしています。歯ぎしりをたくさんすると、「ギシギシ」とか、「ギュッギュッ」という音が隣りで寝ている人に迷惑をかけるというだけでなく、さまざまな問題が生じてきます。最悪の場合、歯が割れてしまい、歯を抜かなければならない場合もあります。また、歯周病を進行しやすくする危険因子にもなります。自分が歯ぎしりをしているかどうかは、他人に指摘されないとわかりにくいものです。朝起きた時に顎がだるい、むし歯がないのに歯がしみる、むし歯の治療で入れた詰め物などがとれやすい、あ
るいは鏡で口の中を見た時に、歯が磨り減っていたり、頬や舌に歯の痕がある人は、歯ぎしりを病的に多くしている可能性があります。今のところ、歯ぎしりの根本的な治療法はありません。しかし、軽く口を閉じたときには上下の歯が接しないように意識したり、「歯と歯をはなす」と書いた紙を目に入りやすい場所に貼っておくなどすることは効果的です。また、歯ぎしりの害を軽減するために歯科医院で「ナイトガード」という夜寝る時に口の中に入れる装置(マウスピース)作ってもらうのも良い方法です。ナイトガードは保険診療でできますので、3割負担の人で5千円程度です。
|