近年、歯科医学の発展には目を見張るものがあります。その中でもインプラント治療は欠かすことのできない治療法としてますます重要な位置を占めるようになりました。
歯科インプラントとは、人口歯根のことです。歯がなくなってしまった部分の歯ぐきに新しく人口の歯を植え、固定式のブリッジ等をいれる治療で、自分の歯と同じように食べ物を噛めるようにします。こうすると、取り外しのわずらわしい入れ歯から開放され、自分の歯が戻ってきたような状態になると患者さんが感想を述べています。
インプラントの歴史は古く、数百年前より行われていましたが、近代歯科医学においては、1960年代になってからさかんに研究され、いろいろな材料や形態のものが開発されました。そして、予後不良なものは淘汰され、現在では、予後良好で、高品質なインプラントが提供されています。
では、どのような場合にインプラントが適応されるのでしょうか。通常1〜2本歯が抜けると前後の歯を削りブリッジという冠をかぶせますが、実は歯は削って処置したところから崩壊が始まりやすいものです。もしこの部位にインプラントを植えれば、削らずにすむし、しかも自分の歯と同じような感覚が得られます。また、部分入れ歯を入れた場合、その異物感に我慢できなかったり、バネのかかった歯に無理な力がかかり、2〜3年でその歯をだめにしてしまうことがあります。総入れ歯の場合も、外れやすい、痛い、良く噛めない等で悩んでいる患者さんが多く、インプラントを入れ歯の支えとして用いるとこうした問題を解決することが出来ます。
このように従来の治療法では出来なかった、残った歯の負担を軽減したり、歯の寿命を延ばすことができる点が優れた治療法として認められ、今後普及してくるものと思われます。
問題点としては保険適用外なので治療費が高くなること、重度の糖尿病患者やヘビースモーカーには適さないことなどです。主治医と良く相談し選択されると良いでしょう。
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