全ての医療行為がそうであるように、インプラント治療にもメリットとデメリットがあります。治療の際には、この点を主治医とよく相談し、十分理解したうえで、選択するのがよいでしょう。
インプラントのメリットは、骨に直接チタンという金属を固定するため、天然の歯と同じようにしっかり咬むことができることです。取り外し式の入れ歯と違い、不意に外れたりすることはほとんどありません。ブリッジのように隣の歯を削ったり、隣の歯のかみ合わせによる負担が増えることもありません。
デメリットは、インプラントは骨に結合させるものなので、手術が必要なことです。骨が少ない場合には、骨の移植手術をすることもあります。手術後、すぐに咬めるわけではなく、最短で6週間、長い場合には6ヶ月、骨と結合するのを待つ期間が必要です。骨に直接固定されているため、咬んだ感触はあまりありません。人工物なので、天然の歯よりも炎症が起こりやすく、きちんと手入れをしないと、インプラントの周囲の歯茎が歯周病のように腫れてくることもあります。費用の点では、健康保険が適用されず、高額になります。
近年、治療法のひとつとして定着してきたインプラントですが、100%の成功率ではありません。およそ5年間の成功率(5年後に経過が良好である率)は95%、10年間の成功率は90%くらいが、一般的な治療成績です。
また、インプラントを調子よく長期間使用していくためには、良い手術としっかりした手入れが重要です。
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