親知らずは正式名称を第三大臼歯という、前歯から数えて8番目の歯です。人間の歯は7番目までが正常にあるべき歯とされているため、8番目の親知らずは不要な歯とされることが多く、近年では親知らず自体がもともと欠損している人も少なくありません。現代人の顎は小さくなる傾向にあり、親知らずは人類の進化の過程からすると、退化し、欠損する傾向にあります。 顎が小さくなると、親知らずが生えてくるスペースも限られてしまうため、まっすぐ生えてこなかったり、横向きに埋ったままになってしまうことも珍しくありません。近年では、親知らずが原因のトラブルも増加傾向にあります。
正常な位置に出てこなかったり埋まっている親知らずは、掃除がしにくいため周囲に汚れがたまりやすく、細菌が繁殖しやすい環境です。そのため、腫れたり痛みを伴い、化膿した状態になることがあります。炎症を起こしてしまう親知らずは、一度治まっても再発する可能性が高く、一般的には抜歯をすることが推奨されます。また、横に埋まっている親知らずは手前の7番目の歯を押してしまい、歯並びが乱れることもあり、その危険が予想される場合には症状が無くても抜歯することがあります。
親知らずは通常の歯科医院で抜歯をすることもありますが、比較的抜歯の難易度が高いことも多いことから、歯科口腔外科の受診を勧められることもあります。深い位置の親知らずは神経や血管とも近いことがあるため、十分な技術と経験のある口腔外科医による抜歯が安全といえるでしょう。いずれにしても親知らずのトラブルは、早めに歯科あるいは歯科口腔外科を受診されることをお勧めします。
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