日本の高齢化社会の到来に合わせて、いよいよ4月1日から介護保険が始まります。そこで、高齢者の健康を維持していくための食事について考えましょう。
◆年をとると食習慣も変わる
年とともに起こる体の変化に合わせて、食事の内容にも工夫が必要です。特に高齢者だけの世帯で、食事の好みが淡白な和食一辺倒の場合は、タンパク質不足などによる低栄養が心配されます。三食とも濃い味のみそ汁や漬物を食べていたりすることが多いので、食塩の取り過ぎも気になります。
また、食べやすいものばかりを選んだり、買い物や調理がおっくうになったり、食事そのものへの関心が薄れるなどして、単調な食生活に軌道修正する必要があります。
◆ミネラルと食物繊維が豊富なら骨粗鬆症も便秘もこわくない
高齢者の食事で特に強化したいのがミネラルと食物繊維の摂取です。年をとると、骨がもろくなる骨粗鬆症が心配されます。これは、カルシウムやビタミンDなどのミネラルを多く含む食品を取ることである程度予防できるので、牛乳などの乳製品や小魚などを毎日たくさん取るようにしましょう。
野菜や海藻にも、いろいろなミネラルが含まれているので、たっぷりと取ることをおすすめします。食物繊維も豊富な野菜は、便秘の解消にも効果をもたらしてくれます。
◆高齢者の体の特徴に合わせた食事
@味覚がやや鈍くなって濃い目の味つけを好む場合もありますが、食塩を控え、薄味でもおいしく食べられる工夫を。
A歯のトラブルがふえ、咀嚼力が低下するので食べやすいように材料を一口大に切ったり、すりおろしたり、やわらかく煮たりする。
B骨粗鬆症の予防に必要なカルシウムの摂取に都合のよい牛乳などの乳製品が嫌いで、そのまま飲めない・食べられないという場合は、牛乳やスキムミルクを、スープや煮込み材料として使うとよい。
C内臓の働きや代謝が少しずつ弱くなるので、なるべく消化吸収のよい食品を選んで取り入れる。
Dときには家族や友人と語らいながら食事を。楽しく食べる雰囲気作りも大切。
|