学校の歯科検診は、むし歯だけでなく、歯肉炎をはじめとする歯周疾患、顎関節、歯並びなどの項目があり、必要に応じて治療の勧告が行われています。今回は、学校の歯科検診のとらえ方とその限界についてお話しします。
学校の歯科検診は、限られた設備と限られた時
間で多くの児童を診なくてはなりませんから、どうしても見落としたり、見間違えることもあります。ですから、むし歯の項目にチェックのついた治療勧告の用紙を持って歯科医院を受診したところ「むし歯はなし」といわれた、などという事態も生じるわけです。でも、考え方によっては、用紙がきたおかげで、歯科医院で口の中をチェックしてもらい、異常がないことがわかっただけでも安心できるでしょう。 歯並びの治療については、現時点では健康保険の適用外となっています。学校の検診で問題が指摘されたのに、その治療には保険が効かない、というのはちょっと矛盾していますね。したがって、歯並びに関しては治療勧告ではなく、児童本人や保護者から問い合わせや心配している旨の訴えがあった場合にのみチェックをし、必要に応じて記載することになっています。 検診でむし歯があると「C」、歯肉炎は「G」と記載されます。また、「CO」(シー・オー)と記載された場合は、要観察歯です。厳密にいえばむし歯ではあるものの、食事やブラッシングの改善により進行しないかもしれないので、経過をみましょう、というものです。「GO」(ジー・オー)は歯周疾患要観察歯です。CO同様に、経過を観察します。 検診は、むし歯をみつけることだけが目的ではありません。この機会に家族でブラッシングや食生活等を再確認してみてはいかがでしょうか。
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