最近、学校の歯科検診でも歯並びが審査項目に加えられるようになりました。また、ワイヤーなどの矯正装置をつけている児童･生徒を見ることも珍しくはなくなりました。将来、歯並びが乱れる可能性が高ければ、なるべく早い時期から治療を始めたほうがいいのですが、

○子供が治療に協力できる年齢かどうか
○保護者が治療の必要性を理解しているか
○保護者が子供を説得できるか

といった難しい問題があります。
もちろん、歯並びが心配なら子供の年齢に関係なく歯科医院を受診すればよいわけですが、治療開始の一応の目安を説明しましょう。

たとえば反対咬口（受け口）などで、明らかに骨格自体に問題がある場合は、前歯の永久歯が生える頃、おおよそ就学時前後を一つの目安にします。ずれの程度が大きく、永久歯が生える前であっても、将来反対咬口になることが明らかな場合はもっと早くから治療を始めることもあります。
また、前歯の永久歯が１、２本上下で交叉している場合も、それがわかった時点でなるべく早めに治療を始めるほうが本人もラクで、しかも治療期間が短くて済むことがあります。
乱杭歯など、個々の歯の位置に問題がある場合には横の歯のはえかわりの時期、つまり１０歳前後がひとつの目安でしょう。歯のはえかわる前に受診することをおすすめします。
しかし適当な時期がきても、本人が治療をいやがることがあります。本人がその気になるまで気長に待つことも必要かもしれません。極端な例以外は何歳からでも矯正は可能です。