体が不自由になったり、介護が必要になったりして、歯科医院への通院が困難になった方のために歯科訪問診療があります。患者さんの自宅や療養している場所に、歯科医師が治療に必要な診療機械を持って伺います。 通院する場合と全く同じという訳にはいきませんが、入れ歯を調整したり、新しく作ったり、むし歯を治療して、型を取って詰め物や被せものを入れたりと、ほとんどの治療が可能です。 歯科訪問診療の対象となるのは、病気やけがで療養していて、通院が困難な方です。年齢制限や介護保険の要介護度による制限もありません。訪問診療ができる場所は、患者さんの自宅、アパート、マンション、サービス付き高齢者住宅、ケアハウス、特別養護老人ホーム、老人保健施設、歯科のない病院などです。費用は、患者さんの自宅に伺う場合では、医療保険の一部負担金、介護保険の一部負担金、交通費が必要です。医療保険の一部負担金は、1 割負担の方で、外来通院の場合と比べて、1 回あたり1000 円程度高くなります。介護保険に関しては要介護区分による限度額とは別枠ですので、歯科訪問診療を利用すると他のサービスを減らさなければならないということはありません。 また、訪問診療で特に重要なのは、一通り治療が終わった後のお口の健康管理です。治療後の経過観察や口腔ケアも訪問診療で受けることができます。 病気やけがで歯科治療のための通院が困難になっても、歯科訪問診療を利用すれば、治療からその後のフォローまでしっかりと受けられます。必要な方は、まずはかかりつけの歯科医師に相談してください。その先生がたとえ訪問診療をしていなかった場合でも、適切な歯科医院を紹介してくれるはずです。
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