歯科の治療に恐怖心を抱いている人は多いようです。診察台に座るだけで、緊張が高まり、血圧が上がってしまう人も少なくありません。 高血圧症の人でも、降圧剤等の薬で管理され、健康状態に異常がなければ、ほとんどの治療は問題ないようですが、薬を服用されている場合は、事前に歯科医師に伝えてください。来院するだけで息切れやめまいがあるようなら、歯科の治療は避けるべきでしょう。まずは、内科での高血圧症の治療が優先となります。 最近は、香りによるアロマテラピーを導入したり、好きな音楽やリラクゼーション用の音楽をヘッドホンで聴きながら等、少しでもリラックスして治療を受けてもらえるよう、工夫をしている診療所もあるようです。 一方、治療への恐怖心や不安感を和らげるために、よく用いられるものに、笑気吸入鎮静法があります。診察台に寝ながらマスクをし、鼻から笑気ガスを吸入します。ほろ酔い加減で手足が少しけだるくなるような感じで、頭がぼんやりし、緊張が和らいで治療中もリラックスしていられるのです。笑気ガスの濃度は、20〜30%の範囲で用いられ70〜80%の高濃度酸素と混ぜて吸入するので、呼吸困難になることはありません。さらに、粘膜などには、塗るだけの表面麻酔を併用することで、より疼痛は軽減されるでしょう。 歯科治療の恐怖心を和らげる方法を紹介しましたが、何より大切なのは、口腔内を清潔に保ち、歯科医院には、むし歯や歯周病の治療ではなく、歯石を除去したり磨いたりする定期的なクリーニングなど、予防目的で通院できるようになることではないでしょうか。
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